亡くなったあとのこと
自分の遺産を、社会のために寄付したい。どうすればいい?

まず結論
- 1遺言で寄付先を決める
- 2兄弟姉妹に遺留分はない
- 3寄付先に前もって確かめる
遺贈寄付は、遺言で「亡くなったあと、財産の全部または一部を〇〇に寄付する」と決めておく方法です。相続人がいない方は、遺言がなければ財産は最終的に国のものになりますが、遺言で寄付先を指定すれば、応援したい団体や自治体に財産を役立ててもらえます。相続人が兄弟姉妹(おい・めい)だけの場合、兄弟姉妹には遺留分(最低限の取り分)がないため、遺言の内容どおりに寄付しやすくなります。
遺贈寄付のしくみ
| 方法 | どんなものか | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 特定遺贈 | 「〇〇銀行の預金のうち〇〇円を」など、財産を特定して寄付する | わかりやすく、寄付先も受け取りやすい |
| 包括遺贈 | 「財産の2分の1を」など、割合で寄付する | 借金などの負債も割合に応じて引き継ぐため、受け取りを断る団体もある |
| 相続人が寄付 | 遺言ではなく、相続した人が自分の意思で寄付する | 本人の希望を伝えておくだけでは、必ずしもそのとおりにならない |
遺言の書き方の基本
- 1財産を書き出す預貯金・不動産・株式・保険など
- 2寄付先を決める団体の正式名称と所在地を確かめる
- 3寄付先に確かめる遺贈寄付を受けているか、不動産なども受け取れるか
- 4方式を選ぶ公証役場で作る公正証書遺言か、自分で書く自筆証書遺言(法務局で保管できる)
- 5遺言執行者を決める遺言のとおりに手続きを進める人を、遺言の中で指定する
自筆証書遺言は、全文・日付・氏名を自分で書いて押印する必要があります(財産目録はパソコンで作ったものや通帳のコピーでもよく、その場合は各ページへの署名・押印が必要です)。方式を外れると無効になることがあるため、公正証書遺言や法務局の保管制度を使うと安心です。

遺留分と寄付
遺留分は、一定の相続人に法律で保障された最低限の取り分です。民法第1042条は、遺留分を持つのを「兄弟姉妹以外の相続人」としています。そのため、配偶者や子・親がいる場合は、遺留分を考えて寄付の割合を決める必要がありますが、相続人が兄弟姉妹やおい・めいだけの場合は、財産の全部を寄付すると決めても、遺留分の請求を受けることはありません。
ここに注意寄付することを、親族にも伝えておくと、亡くなったあとの行き違いを防ぎやすくなります。
税の扱いで知っておきたいこと
- 不動産や株式を法人に遺贈すると、亡くなった方に「その時の値段で売った」とみなした所得税(譲渡所得)がかかることがある。公益法人などへの寄付で国税庁長官の承認を受けると非課税になる特例がある(租税特別措置法第40条)
- 相続人が相続した財産を、相続税の申告期限までに国・地方公共団体や特定の公益法人に寄付すると、その分に相続税がかからない特例がある(租税特別措置法第70条)
- 寄付先や財産の種類によって扱いが変わるため、くわしくは税務署で確かめる
身元保証や死後事務の事業者への遺贈は慎重に
国の「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」は、事業者が利用者から遺贈を受けることは利益相反になりうるとして、遺贈先の相談を受けたときは事業者以外の選択肢も示すこと、遺贈を受ける場合は公正証書遺言によることが望ましいこと、遺贈を契約の条件にしないことを求めています。
葬儀や片付けなど亡くなったあとの手続きは死後事務の契約で、財産の行き先は遺言で、と分けて決めておくと整理しやすくなります。皇寿終活保証協会の安心コースでは、遺言などの公正証書の作成を専門家と連携してお手伝いします。
ご相談の前にそろえておくと、話が早いもの
- 財産のおおまかな一覧
- 寄付したい団体・自治体の名前
- 相続人になる人(兄弟姉妹・おい・めいなど)の有無
- すでに書いた遺言の有無
分からない項目があっても大丈夫です。分かる範囲でお聞かせください。
皇寿にご相談いただくと
皇寿終活保証協会(運営:皇寿保証株式会社・大阪市北区)/一般社団法人 全国高齢者等終身サポート事業者協会 会員
本文で触れた公的な資料
- 民法 第951条〜第959条(相続人の不存在)・第1042条(遺留分)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 「No.3108 国や地方公共団体又は公益を目的とする事業を行う法人等に財産を寄附したとき」(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3108.htm
- 「No.4141 相続財産を公益法人などに寄附したとき」(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4141.htm
- 内閣官房・内閣府・警察庁・金融庁・消費者庁・総務省・法務省・文部科学省・厚生労働省・国土交通省「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(2024年6月) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_037/
最終更新:2026年10月21日 / 編集:皇寿終活保証協会(運営:皇寿保証株式会社・大阪市北区)。制度の説明は一般的な内容です。細かい条件は変わることがあるため、最終的には病院・施設・市区町村・専門家(司法書士・弁護士・税理士など)にご確認ください(皇寿がおつなぎします)。
よくあるご質問
Q少ない金額でも遺贈寄付できますか?
はい。金額の決まりはありません。「預金のうち〇〇円」のように一部だけを寄付することもできます。受け入れの条件は寄付先によって違うため、前もって確かめておきましょう。
Q家や土地も寄付できますか?
寄付先によっては、不動産を受け取っていないことがあります。その場合は、遺言で「売ったお金を寄付する」形にする方法もあります。また、不動産を法人に遺贈すると所得税がかかる場合があるため、税務署で確かめてください。
Q寄付先を変えたくなったら?
遺言は、新しい遺言を作ることでいつでも書き直せます。
Q遺言がないと、財産はどうなりますか?
相続人がいれば相続人に、いなければ相続財産清算人の手続きを経て、最後は国のものになります。
保証人の役目は、皇寿終活保証協会がお引き受けします。
入院・施設入居の身元保証、緊急連絡先、費用の立替から、亡くなったあとの手続きまで。入居先探しは皇寿の施設紹介と一緒に進められます。何から手をつければいいか分からない段階でも、そのままお電話ください。ご相談は無料です。
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